【バレエ障害】なぜ三角骨障害は手術で完治しないのか? その1

「バレエ障害で多い三角骨障害。これって骨が遊離するから痛いと思われますか?」

 

最近、僕個人のfacebookで投稿した記事に多方面からの反響をいただきました。

そもそも、何故そう思ったのかというと、知り合ったバレエダンサーさん達からのご相談で

「痛みが強くなるからと手術をしたのに、術後も大して変化がない」

といったお話が多かったから。

実はその後、三角骨障害の手術を行い、現在リハビリ中のダンサーさんに会う機会があったので

改めて足の状態を確認させていただいたのです。

当人も、リハビリが上手く進んでいないことに悩んでおり、内心「やはり」と感じざるを得ません。

 

状態は、セラピスト目線で見ると以下の通りでした。

 

・足のアーチが低下しており、足関節に負担がかかる。

・足関節(距腿関節とも言います)を動かすと、うまくかみ合っておらずグラグラ。

・ポワント時にショパール関節(下の写真、矢印の部分)がうまく動いていない。

・上記の結果として足のアキレス腱に大きな負担がかかる。

簡単にまとめると、足関節が全く安定していないのです。

じゃあ何故こんなことが起こるのでしょうか?

 

答えは「足関節の動きを邪魔するものがあるから」

 

というわけで、今回から数回に分けて、三角骨障害についてお話したいと思います。

第1回は足関節の解剖と三角骨障害の原因について。

まずはこの絵を見てみましょう。

img_3765

縦が膝下の骨、横が距骨、これらが交わる部分が「足関節」です。

脚を支える土台の部分が半円の滑車のようになっているのがお分かり頂けると思います。

わかりやすいよう、延長曲線を点線で書いてみました。

この半円の部分は距骨の滑車「距骨滑車」といいます。

上の絵をもう一度見てみると脚の骨の中心と、距骨滑車の中心がほぼ直線状に並んでいるように見えませんか?

と、いうことは足首を曲げ伸ばしした際の距骨滑車の運動の支点が、半円の中心に位置すると考えられます。

これが正常な足関節の動きなのです。

ボートに例えると、オールの支点が固定されて漕ぎやすいような、そんな当たり前の状態。

では、足関節が不安定になると関節はどんな状態になっているのでしょうか。

まずは、下の画像をご覧ください。

距骨が前方に移動(図は左側が前方)し、運動の支点が半円の中心から後ろにずれたのがわかります。

支点がずれることで、関節の面の適合性(関節同士の合わさる面積)が低下し、不安定化します。

だから「足関節が安定しない」状態が起こるのです。

これをボートに例えると、オールの支点が固定されておらず漕ぎづらいようなイメージでしょう。

漕ぎづらければ漕ぎづらいほど、筋肉にかかる負担が増してしまいます。

これがアキレス腱への過度な負担へとつながる原因の一つだと言えるでしょう。

さらにこの状態で足首を伸ばした場合、距骨右側のヒヨコのくちばし部分が当たりそうなイメージが湧きませんか?

これが三角骨障害の原因です。

 

では、次回は「三角骨障害の痛みの正体」についてお話したいと思います。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です