本当は難しい体幹トレーニング

この画像。息子のおもちゃを拝借したのですが、何のトレーニングかわかりますか?
一応、体幹トレーニングのフロントブリッジ(プランク)をイメージしてみたのですが、このおもちゃではちょっとわかりづらいかもしれませんね(笑

さて、こういった「体幹トレーニング」が自宅トレーニングとして普及しているのは、もはや周知の事実です。本屋さんに行けば、この手のトレーニング本が何冊も売っていますし、DVDなんかも発売されていますし。

ただ、こういったトレーニングも、使い方によってはパフォーマンスを上げるどころか、落としてしまいかねないということも知っておきたいところです。

「え?体幹トレーニングって効果ないの!?」

いえいえ、そういうわけではありません。
ただ、どんなトレーニングにしろ目的が不明確であれば、あまり思った効果が出ないということも、僕たちは覚えておく必要があるのです。

では、そもそも体幹ってなんのために鍛えるのでしょうか?

「体幹トレーニングって、ほら、体幹を安定させた方がいいって言うじゃないですか」

なぜ体幹を安定させた方がいいんでしょう。

どの文献だか忘れてしまいましたが、

「体幹の支持性(安定性)が増すと、四肢(手足)の可動性が増す」

これが体幹トレーニングの意義だそうです。

簡単にいえば、

「体幹が安定している方が手足が動かしやすい」

と、いうこと。なるほど納得ですね。
ただ、ここで注意しておきたい点が一つ。体幹は「安定」している状態が理想だと言っています。

では例えばフロントブリッジを見てみましょう。

「肘とつま先を支点にして、頭の先からかかとまで一直線になるように維持する。」

確かそんな感じだったと思います。では、僕と一緒にやってみましょう。

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どうでしたか?体幹が「安定」している感じはありましたか?

僕の場合は筋トレ嫌いなので、普段から特に筋トレをやっていません。だからかもしれませんが腕や肩はプルプル、お腹も背中もカッチカチです。正直、これで「安定」しているとは言いがたく、むしろ「固定」してしまっているように感じました。

そうなんです、この体幹トレーニング最大の盲点は「安定」と「固定」が混同されていることにあるのだと思っています。

こんなカッチカチの状態でうまく走ったり、跳んだり、登ったりできるでしょうか。おそらく難しいでしょう。何せアウターマッスルが強くなりすぎると、インナーマッスルが働きにくくなるという体の仕組みが存在します。
フロントブリッジを実践していただけば一目瞭然ですが、腹筋や背筋、腕の筋肉など、体を動かすために必要な筋肉に緊張が入り過ぎてしまっている。ということは本来体を安定させるためのインナーマッスルをあまり使わず、体を動かすためのアウターマッスルで体を固めてしまっているということになります。

逆に言うと、アウターマッスルが抜けた状態でフロントブリッジができれば、インナーマッスルにしっかり効いているということになるので、本来の体幹トレーニングの目的は達成できるというわけです。

実は一般的に広まっている体幹トレーニングって、レベルが高いのかもしれません。

まずはしっかりとインナーマッスルが効くようになるところからスタートしていきましょう。
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ABOUTこの記事をかいた人

●柔道整復師、姿勢改善すこやか整骨院 院長●クリニックや整骨院勤務を経て、延べ1万人以上のアスリート、7万人以上の施術実績を持つ。 2014年4月に奈良県香芝市で開業(現在は御所市に移転)。『レントゲンでは異常なし』と言われるような症状を得意とし、皮ふの調整から体のバランスを整えるプロとして活動している。