「距離感」と「目」について

「距離感」と「目」について

あなたは不思議に思ったことはありませんか?

リードやボルダリングのコンペを観に行って、この距離だったら届くだろうと思っていたら、スコンと落ちてしまう子どもさんの姿を目の当たりしにしたこと。

戻ってきた子供に「え?なんであそこで落ちたの!?」と思って聞いてみたら、「あそこ、遠かったんだもん」と言われたこと。

今日のテーマは「距離感」について。

抑えるべきポイントは「奥行き」です。

そもそもなぜこんなことが起こるのか?

では、なぜ選手と観客が観たお互いの「距離感」に、こんな誤差が生じるのでしょうか?

その答えは、見ている方向にあります。

例えば僕たち観客は、壁を見るときは離れているので縦横の距離感で見ているのです。

普段から縦横の縮尺感覚(長さ)には慣れ親しんでいる僕たち。

例えば500mlペットボトルを見ておおよその縦横の長さはイメージできるし、壁の距離感もクライミング経験がある方なら、なんとなくですがわかると思います。

対して、選手が見るのは主に奥行き。

見ているホールドに対しての距離なので、前方方向の距離感です。

ペットボトル持って自分の目の前にやります。

その状態から少し離してみましょう。

今の自分からペットボトルまでの距離が、何センチくらいかわかりますか?

そうなんです、意外と僕たちって、奥行きに対しての距離感がわからないことが多いんです。

だから、選手と観客が見た距離感に誤差が生じるんですね。

例えば、こんなことありませんか?

Googleマップやカーナビを設定して目的地に行く道すがら、

『300m先左方向です』

『間も無く、左方向です』

「え?あ!?どこ?ここでいいの!?」

と曲がった交差点がずれていたりすること。

僕はGoogleマップのナビを使うと、かなり高頻度でこれをやってしまいます。

こんなことって僕だけでしょうか?(苦笑

視力がよければオッケーというものではありません

「視力」とは、物を識別する力のこと。

例えば裸眼の状態で「5m先に置いた雑誌の表紙に何が書いているのか?」がわかる能力のことを指します。

でもこの場合必要なのは「視覚認知」

視覚認知とは、目に入ってきた情報を正確に捉え、イメージする力。

自分と物体の距離感も、この視覚認知に含まれます。

どちらだけが大事というわけではありませんが、スポーツにおいては両方のバランスが大事だと僕は考えます。

さらにいうと、特に奥行きを見るクライミングという競技においては、視覚認知はとても重要だと言えるでしょう。

結論:目も大切な体の一部です

トレーニングと聞くと、まず真っ先に筋肉を鍛えるイメージがありますね。

視覚認知にまず必要なものは、目を動かす力=目の筋肉です。

「これなら取れそう」「これは届かないかも」を判断するのは見る力です。

体と同様に目もしっかりと鍛えていきましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

●柔道整復師、姿勢改善すこやか整骨院 院長●クリニックや整骨院勤務を経て、延べ1万人以上のアスリート、7万人以上の施術実績を持つ。 2014年4月に奈良県香芝市で開業(現在は御所市に移転)。『レントゲンでは異常なし』と言われるような症状を得意とし、皮ふの調整から体のバランスを整えるプロとして活動している。