坐骨神経痛だと思ったら筋膜によるものだった

坐骨神経痛だと思ったら筋膜によるものだった

先日、60代の女性が当院に来られました。

お悩みはというと、いわゆる「坐骨神経痛」

すでに幾多の整骨院や整体院を渡り歩いてきたというHさん(仮名)。

今日は坐骨神経痛についてのお話。

神経痛の原因は筋膜が分厚くなっていたから?

坐骨神経痛ってなんだろう?

僕たちの体には「坐骨神経」と呼ばれる腰から足にかけて伸びている、長い神経があります。

坐骨神経痛とは、その神経がなんらかの原因によって圧迫や刺激を受け、それが元で痛みや痺れなどの症状を出すことを指したものです。

今回のHさんの場合はお尻と、足の裏にそれぞれ痛みと痺れがありました。

では、何が原因なのでしょう

Hさんの場合、座っている時や寝ている時には問題はないそうで、立っている時にだけ症状が出るとのこと。

単純に神経の圧迫として考えるには、なんとも不自然な症状だと思いませんか?

坐骨神経はお尻側を走行しているので、座っている=お尻が引き伸ばされているのであれば、むしろ症状が出ると思ったからです。

ということは、立った時に何か別の要因が症状を引き起こしている可能性があります。

Hさんの体をチェックしてわかったこと

まずは痛みと痺れの出る姿勢を取っていただきました。

「あ、今痺れています」

確かに立っている時に痛みが出ています。

「そういえば私、顎を引くと背中が痛くて顎が引けないんです」

とも。

顎を引くと背中が痛い。

そう、動きを見てみると、見事に腰で止まっているのがわかるほど動いていなかったのです。

腰回りを触ってみると、皮膚が硬くなっている場所があります。

筋膜の仮修正を行って、同じように顎を引いてもらうと、

「あれ?痛くないです」

別の部分を仮修正して立ってもらうと、

「あれ?痺れがなくなりました」

以上のことから今回の場合は坐骨神経というよりも、筋膜と呼ばれる部分での神経圧迫が原因だったと考えました。

どうして筋膜が動きづらいと痺れが出るの?

では、どうして筋膜が動きづらいと痺れが出るのでしょう?

それは筋膜が、皮膚と筋肉の仕切板のような役割をしていて、神経が筋膜付近を走行しているから。

そして、筋膜での摩擦が上がってくると神経が引っかかるようになり、結果として今回のような痺れ症状を出したのでしょう。

結論:筋膜が分厚くなると痺れ症状を引き起こしやすい

何事も、結果には原因があります。

今回のような痺れのケースにも、筋膜リリースが有効です。

しつこい痺れをお持ちの方は、筋膜を疑ってみてはいかがでしょうか。

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ABOUTこの記事をかいた人

●柔道整復師、姿勢改善すこやか整骨院 院長●クリニックや整骨院勤務を経て、延べ1万人以上のアスリート、7万人以上の施術実績を持つ。 2014年4月に奈良県香芝市で開業(現在は御所市に移転)。『レントゲンでは異常なし』と言われるような症状を得意とし、皮ふの調整から体のバランスを整えるプロとして活動している。