先日、東京の代々木体育館で行われた、「第12回ボルダリングジャパンカップ」に参加する中学一年生、谷井菜月、抜井亮瑛の両選手のトレーナーとして帯同してきました。
オリンピックにも正式に追加種目として認められたこともあり、初めて参加した僕でもわかるくらい、開催者側のチカラの入り具合がわかります。
SNSやブログなどでも、たくさんの記事が上がっているのを目にしましたが、今回はトレーナーから見たBJCの雑感についてお話ししたいと思います。
アイソレーションルームでは何をしているの?
試合開始前、出場選手たちはアイソレーションルームに入ります。
試合の公平性を保つ為、課題のあるエリアを見られないよう「隔離」する為です。
通常、選手のみがアイソレーションルームに入る場合が多いのですが、僕のようなトレーナーやコーチなども帯同が許されています。
その際、手渡されるのがこんなタグ。
大抵の場合、選手受付やアイソレーションルームの前で、2回くらいは「親御さんは入れません」と止められるのですが(笑
今回のBJCで、さすがだなぁと思ったのは、コンディショニング用のベッドが2台も置かれていたこと。
これは完全にトレーナーが入ることを想定していると思われます。
ただ残念だったのは、僕以外にトレーナーらしき姿がなかったので、このベッドが活躍することがなかったことですね(苦笑
廊下の一番奥にあるアイソレーションルームでは、多くの選手たちが思い思いの時間を過ごしていました。
アップ用の壁に登る選手、ストレッチをしている選手、ストレッチポールに乗っている選手、、、
やはり大きな大会です。個人差はありましたが、アップ、コンディショニングは怠りません。
やはり、成績のいい選手ほど体に対しての意識も高いように感じました。
選手たちはどんなアップをしているの?
おそらくあなたが気になるのは、「あの」選手たちがどんなアップをしているのかということですよね。
まず、全体として多かったのは「ダイナミックストレッチ」です。
柔軟性の向上に加え、心拍も上げられるので、アップには最適と言われています。
若手の選手からベテラン選手まで、そこらかしこで腕を大きく振ったり脚を振ったり。
ユースの大会でも、ダイナミックストレッチをしている選手を以前に比べて見かけるようになりました。
僕も以前のブログで『ボルダリングのコンペ前にストッレッチは保持力を落とす!?』という記事を書いていますので、よかったらそちらの内容も参考にしてみてください。
そして今回、意外にも多いなぁと感じたのが「バンドを使ったセルフストレッチ」です。
ヨガやピラティスでよく見かける、ゴム製バンドを使ったセルフストレッチ。
一見、静的ストレッチかと思いきや、みんなキチンと神経促通を狙ったストレッチを行っていました。
これは運動前にしっかり体を動かしやすい状態にするには最適なアップ法だと思います。
詳しい説明は、また折を見てお話ししたいと思いますが、トップクラスの選手は、間違いなく体に対しての意識が違うことがわかりました。
娯楽からスポーツへ
ボルダリングは、元々外岩の練習を目的としたものが派生して競技化されたものです。
そのため、商業ジムのスクールが主体となって選手を育成しています。
いろんなジムを見て回っていますが、スクールも「登ること」が主体のところが多く、体をトレーニングで作っていくという考え方はあまり浸透していません。
しかし、今年のBJCでも「トレーニング」という言葉はたくさん耳にしました。
オリンピックの追加種目として認められたこともあり、今後は、よりスポーツとしての側面が大きくなってくることでしょう。
競技を目的としている選手たちは、より、「登ること」以外にも目を向ける傾向になってような気がしています。
BJCの関係者の方々とお話しさせていただきましたが、今後は競技を見据えたトレーニングが浸透してくるでしょう。
来年のBJCは、どんなトレーニングが流行っているか楽しみですね。
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●柔道整復師、姿勢改善すこやか整骨院 院長●クリニックや整骨院勤務を経て、延べ1万人以上のアスリート、7万人以上の施術実績を持つ。
2014年4月に奈良県香芝市で開業(現在は御所市に移転)。『レントゲンでは異常なし』と言われるような症状を得意とし、皮ふの調整から体のバランスを整えるプロとして活動している。