サーフィンのパドリングと首の痛み

先日、当院にサーフィンをやっておられる方が来院されました。
この方、数ヶ月前から右の手をつくと痛むらしく、サーフィンでのテイクオフ動作(ボードでの立ち上がり動作)にも支障をきたし、せっかくの趣味が楽しめないとのことでした。

(写真はサーフィンではありません)

手首の痛みに関して詳しく話を聞いてみたところ、特に転倒やとっさの動作で手を強く突いたり、どこかに手首を強くぶつけたような覚えがないそうです。

手首の状態を含めて身体全体の状態を検査してみたところ、右の肩の動きも悪くなっていることがわかりました。
右の肩部分の動きを仮修正して手をつく動作を再度行ってみると、痛みが軽減していることから、単純に手首だけの問題でないことが推測できます。

また、右の首の動きも悪くパドリング中の首の持ち上げ動作でも痛みが続くのも辛いとのことだったので首の動きもチェック。
首を後ろに倒す動作で、右の首に痛みが出てきます。

姿勢もそれに伴ってか、非常に猫背になっていて背中も伸びづらい状態。
ケガや手術などの履歴に関しても特に大きなものは覚えていないということだったのですが、顎の動きが非常に硬かったので

「顎関節症か何かありますか?」

と聞いてみたところ、

「あ、そういえば昔、左の下顎部分にできものができたので切除しました!」

動きの硬さと手術の履歴が一致したので、左下顎部分を施術。
再度首を後ろに倒してもらってみたところ、この段階で首の痛みは大幅に軽減しました。

今度は、最初と同じように手をついてもらいます。すると、

「あれ?痛みがほとんど無い??」

手首の痛みは随分と軽減したようです。
あとは、当初気になっていた肩の部分を施術してみると、首も手首の痛みもほぼゼロの状態になりました。

あとは猫背をなんとかしないとなりません。

何故ならパドリング動作(パドル動作)は、うつ伏せで首を持ち上げなくてはならず、しかも長時間続いたりすることもあります。

この、首の持ち上げ動作、一見首だけが動いているように見えますがそうではありません。

背骨(胸椎)と首(頚椎)が、互いに協力しながら持ち上げているのです。

そのため猫背になってしまうと背骨の動きが硬くなってしまい、首だけで持ち上げるようになるのです。

例えるなら、

2人でやっていた仕事を、1人がサボることでもう一人が頑張る。→もう一人の仕事量が倍になる。→頑張っている一人が過労を起こす。

これと同様のことが身体でも起こっています。

もちろん、この方の場合は顎の問題もありましたが、多くの首痛の原因は首そのものではなく、背中に問題のあるケースが殆ど。

そして、もう一つ。

背中が丸くなると、肩甲骨の面が綺麗に合わなくなって肩が内に巻き込みやすくなります。それが結果的に手首の動きを変えてしまい、結果的に手首の痛みに移行するケースも存在するのです。一見関連なさそうな首と手首の問題ですが、実はないとも言えないんですよ。

まずは、姿勢を正して楽しいサーフライフを満喫しましょう!

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ABOUTこの記事をかいた人

●柔道整復師、姿勢改善すこやか整骨院 院長●クリニックや整骨院勤務を経て、延べ1万人以上のアスリート、7万人以上の施術実績を持つ。 2014年4月に奈良県香芝市で開業(現在は御所市に移転)。『レントゲンでは異常なし』と言われるような症状を得意とし、皮ふの調整から体のバランスを整えるプロとして活動している。