クライマーを悩ませるTFCC損傷の原因

クライマーを悩ませるTFCC損傷の原因

さて、僕はスポーツクライマーのトレーナーをしています。

肩周りもそうなのですが、やっぱり多いのが「手首の痛み」

その中でもクライマーに特徴的なのは、三角線維軟骨複合体損傷(さんかくせんいなんこつふくごうたいそんしょう)、通称「TFCC損傷」です。

「手首がいたから腱鞘炎だろうと思って診てもらったらTFCCだった」という例もまれではありません。

症状として特徴的なのは、手首の小指側に痛みを出すこと。

クライミング中の引き上げ動作などで痛みが出るのはもちろんのこと、日常生活では手をついたり、ドアノブをにひねっても痛みが出現します。

今日はそんなTFCCについてのお話です。

何が原因なの?TFCC損傷

クライマーのみならず、ゴルファーやテニスプレーヤー、体操選手たちを悩ませるTFCC損傷。

お医者さんに行ってレントゲンを撮っても「骨には異常ありません」の一言で終わるケースもチラホラ。

それもそのはず、骨には異常がないからです。

もちろんMRIを撮ったりすることで、どの部分が損傷しているかということはわかります。

ただ、そこまでする必要があるかというと、プロでもない限り無理に損傷箇所を確定しなくても良いかもしれません。

一般的には安静固定やテーピング、ストレッチで様子を見ます。

ただ、それが根本的な解決に繋がるかというと、なんとも言えないですよね。

僕が思うに、TFCC損傷とは「損傷している部分そのものが痛みを出している」というよりも、手首の歪み(関節の位置異常)によって痛みが起こると考えます。

要するに関節が安定しない位置にあると、これ以上の範囲で動かして欲しくないとシグナルを痛みという形で伝えるのです。

では、手首の関節を歪めている原因とは?

これは、手首の動きに関係する筋肉のバランスがうまく保てないことが問題だと言えるでしょう。

例えば肘の周辺や肩の周辺を触ってみてください。

皮ふが妙に硬くなっているところはありませんか?

皮ふが硬い部分は、筋肉の滑りが悪くなっています。

だからうまく使えなくなって、バランスを崩してしまう。

そうすると関節に特定のストレスが加わり始め、関節の歪みが生じます。

結果的にこれが痛みの原因になるのです。

結論:TFCC損傷は関節を整えることから始めましょう

どんな関節でも、整えずして動かすと痛みの原因になります。

痛みを我慢して動かし続けるよりも、まずは整えることから始めましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

●柔道整復師、姿勢改善すこやか整骨院 院長●クリニックや整骨院勤務を経て、延べ1万人以上のアスリート、7万人以上の施術実績を持つ。 2014年4月に奈良県香芝市で開業(現在は御所市に移転)。『レントゲンでは異常なし』と言われるような症状を得意とし、皮ふの調整から体のバランスを整えるプロとして活動している。