バスケットボールでの尾てい骨の痛みと足首の柔軟性

バスケットボールをやっている成長期の学生に、意外と多く見られるのが

「尾てい骨の痛み」

ちなみに、この尾てい骨痛の症状の訴えとしてよく聞くのが、

□走ったりジャンプした時が痛い
□前に屈めた時が痛い
□寝ていて上を向くと痛い

といった、いわゆる「運動痛」と呼ばれるもの。

実際に触ってみても、圧迫による痛みが出ている場合が多く、一見すると、尾骨をぶつけたのかと言う疑いを持垂れるようなこともしばしばあるようですが、もちろん本人の記憶には覚えがありません。

当院でも、このような尾てい骨痛症状の患者さんを診るケースは少なくありません。

整形外科でレントゲンを撮ってもらっても異常はなく、単なる炎症として片付けられるケースが多いこの痛み、一体なぜこんなことが起こるのでしょうか?

バスケット競技の特徴から尾骨痛を紐解く

バスケットボールは競技特性上、他のボールスポーツのように体幹をひねるような動作はほとんどありません。

もちろん、ドリブルを手で打つので前傾姿勢になることが多く、その状態から上半身を捻ることなく足の軸を使って、体ごと左右に回旋します。

通常はこんな感じで股関節を中心とした前傾姿勢を取りますが、

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成長期の学生は、体が固いのにストレッチをしなかったり、急に身長が伸びたりするので基本的に身体意識が甘くなりやすいため、股関節を使わずに、こんな感じで背中や腰を曲げて状態を低く保つ傾向が強いように思います。

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この際、足首がしっかり曲がっていないと、その影響は骨盤に及び、特に脚側から骨盤を引っ張るような姿勢になってしまいます。

また、競技中のジャンプ動作も同様に、曲がった背中と曲がらない足首で着地した際に、背中と脚側から骨盤を引っ張ってしまうことが起こるのです。

これらが尾骨周辺の筋膜にストレスを集中させてしまい、結果として起こるのがいわゆる「尾骨の痛み」

では、チェックしてみましょう

こういった尾骨の痛みに対して、最初に当院で行うチェックの方法があります。

1:まず、足を腰幅にして足先を外に開かず、まっすぐ平行にします。
2:そのままの状態から、深くしゃがみ込みんでもらいます。

通常は何事もなくしゃがみこむことができますが、尾骨痛を訴えて来院される方のほとんどが、かかとが浮く、つま先が浮く、後ろに倒れるなど、足首が硬いのです。

この足首の硬さの原因には諸説があります。

足首が硬くなる原因とは?

一つは、生活環境の変化。20〜30年前は床や畳生活でトイレなどもでも深くしゃがみ込むことも多かったのですが、今はイスやソファー、トイレも洋式化し、あまり深くしゃがみ込むことがなくなりました。

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もう一つは、運動量。ある機関の調べによると、1970年代以前と現在の子供の1日に歩く歩数を調べたところ、半分以下になっているという結果だったそうです。

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ゲームやパソコンなど、室内で動かずに遊べるものが普及したことも原因かもしれません。もちろん、幼小児期の運動量低下は、体の発育発達上にも大きな影響になり得るでしょう。

バスケットボールにおける尾骨痛の多くは、最初はこう言った足首の硬さから始まり、徐々にストレスをためた結果発生していくようです。

当院で施術を受けた中学1年生のバスケ部員は、来院当初、前屈で床に指がつかず、尾骨の痛みを訴えていましたが、当院に通院し始めて痛みが軽減し、今では痛みもなく床に指もつくようになりました。

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もちろん練習も再開し、部活動も痛みなく楽しめるようになっています。

今日のまとめ

尾骨の痛みを長期間放置していると、悪化して骨膜炎に至るケースもまれにあります。
そうすると、部活動も長期にわたって休まなくてはいけなくなりかねません。

まずは、体のバランスを整え、柔軟性を上げることからスタートしましょう。

尾骨の痛みを改善したいあなたは、当院の姿勢改善整体がオススメです。

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7 件のコメント

  • 家の息子は中学生から卓球をはじめまして、高校でも卓球部にはいりました。ここ2週間ほど前から尾てい骨がいたいと言っています。病院にいってレントゲンもとっていただきましたが、とくに異常はないとのことでした。症状があてはまるようなんですが…整骨院とかでみていただいたほうがいいのでしょうか?

    • のりさん

      コメントありがとうございます。
      メールでも送らせていただきましたが、念のためこちらにもコメントを残しておきます。

      さて、尾てい骨の痛みについてですが、レントゲン上異常がなければ、筋膜性の痛みが一番疑われます。

      チェックとしましては、
      1:尾てい骨を押さえて痛みがあるか?
      2:骨盤や脚を軽く叩いて、尾てい骨に響くような感じがあるか?

      1、2共に痛みが出ているようであれば、早期受診をおすすめします。

      また、ご質問などあれば何なりとお聞きください。
      では、失礼します。

  • 中学二年生バスケ部なんですがいつもジャンプしたりしたら膝と骨盤が痛くなります。
    膝は近くの整形に行ってオスグッドと言われたのですが4ヶ月ぐらい経っても治らないです。
    骨盤は9月入ってから痛くなりました。
    僕は猫背なんので猫背と関係しますか?

    • 悠太さん、こんにちは。
      コメントありがとうございました。

      結論からいうと、「猫背と関係がある」です。
      悠太さんはおそらく股関節が硬いのではないでしょうか。

      猫背であると骨盤の傾きが後ろになりやすく、股関節を完全に伸ばす機会が減ってしまいます。
      すると重心は後ろに傾きやすく、ヒザや太ももで重心をコントロールするようになるのです。

      全てが姿勢のせいだというのは乱暴ですが、もし、股関節が硬いという自覚があるなら、姿勢との関係を疑ってみると良いでしょう。
       
      ちなみにお住まいはどちらですか?
      お近くで紹介できそうなところがあれば、ご紹介させていただきますよ。

  • 初めまして。
    中学1年からバスケットを始めました。初めは足の甲から足首が痛く、最近では尾てい骨が痛くなりバスケットをしていても、走っても痛いです。
    よく、姿勢が悪いとも普段言われるのですが、出来ればバスケットの練習を休みたくありません。

    こちらのサイトを見て、出来れば先生に診てもらいたいと思いましたが、遠過ぎて行く事ができません。
    信頼できる接骨院等、どのように調べたらいいのでしょうか?

    • 穂束さん、こんにちは。
      コメントありがとうございます。
       
      尾骨痛で悩んでおられるとの、心が痛みます。
       
      僕と同じ勉強をされている先生か、僕の勉強会に参加してくれている先生でしたら信頼できるのではと思います。
      直接面識もあり、こちらと診療情報のやりとりもできるので安心です。
      ちなみにお住まいはどちらでしょうか?

  • 初めまして。中3の息子のことで相談したく、コメント欄に投稿させて頂きます。
    息子は、4歳からサッカーを始め、現在は地元のクラブチームに所属しております。
    定期的に腰痛があるようで、整体院に定期的に通って、しのいでいる状況です。小5の時に腰椎分離症を経験していますので、その影響かと思っていたのですが、この度、痛みが酷い為に整形外科を受診し、CT検査をしたところ、腰椎分離は完治しており、全く分離はみられませんでした。
    では、この痛みはどこからくるものなのかと、親子で悶々とした日々を過ごしています。色々と調べていた時に、たまたま先生の記事がヒットし、実は、尾てい骨が原因ではないか、と思い始めた次第です。何か良いアドバイスがあれば、お願いします。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    ●柔道整復師、姿勢改善すこやか整骨院 院長●クリニックや整骨院勤務を経て、延べ1万人以上のアスリート、7万人以上の施術実績を持つ。 2014年4月に奈良県香芝市で開業(現在は御所市に移転)。『レントゲンでは異常なし』と言われるような症状を得意とし、皮ふの調整から体のバランスを整えるプロとして活動している。