肩甲骨はがしの効果と肩の動きは必ずしも比例しない!?

最近なぜか『肩甲骨はがし 効果』『子どもの肩甲骨動かない』という検索ワードを経由して当院のホームページに辿り着かれる方がおられるようです。
もしかすると以前『ボルダリングと立甲のメリット』とうタイトルで記事を書いたから?
とにかくせっかくたどり着いたのに読みたい記事がないのは困りますね。

上記のようなワードで記事を探しておられるあなた。
お子さんが野球か何かをされていて、投球動作の際に「肩甲骨が使えてないぞ!」とか「もっと肩甲骨を柔らかくしろ!」とか、そういう指摘を受けたのではないでしょうか?
という訳で今回は表題の通り、『肩甲骨はがしの効果と肩の動き』について解説していきましょう。
肩甲骨はがしというワード、昔勤めていた整骨院でも流行っていたので、当時のことを思い出し懐かしい気持ちになりました。
この検索ワードで当院にたどり着いてくださった方には感謝ですね。

目次【本記事の内容】

肩甲骨はがしとその効果

『肩甲骨はがし』とは、文字通り背中から肩甲骨の動きを分離させるものです。

整体でやってもらう時とかは横向きになってもらって片方の手で肩、もう片方の手を肩甲骨の内側に添えて、ゆっくり裏側に指を入れていって肩甲骨を掴んで背中から引っ張り出すような動作をイメージする方も多いと思います。

肩甲骨はがしをやろうという方の目的は『肩甲骨の動きの向上』ですよね。
じゃあゴールはというと『首肩コリの解消』や『しなるような投球動作やスイング』などではないでしょうか?

実は肩甲骨の動きが良くなったからといって肩の動きがスムーズになるのかというと、それはまた別の話なのです。

では、それはなぜでしょうか。

肩甲骨はがしと肩の動きが比例しない理由とは?

『肩関節』は厳密にいうと、肩甲上腕(けんこうじょうわん)関節、肩鎖(けんさ)関節、胸鎖(きょうさ)関節、肩甲胸郭(けんこうきょうかく)関節、肩峰下(けんぽうか)関節の5つからなります。
肩甲骨はがしで得られるのは、このうちの肩甲胸郭関節の動きといわれています。

では肩甲骨の動きが出たとして、肩の他の関節の動きが悪いとしたらどうでしょう。
もうお分かりですよね。

当院にも「肩甲骨の動きを柔らかくしたくて来ました」と来院される方がたくさんいます。
しかし、その多くの方々の肩甲骨は想像以上にスムーズに動いていました。

じゃあ、この方々の持つ悩みの原因って結局何?
次はその正体について考えてみましょう。

肩甲骨が動かない真の原因について

毎日お子さんが頑張って肩のストレッチをしたり、あなたがお子さんの肩甲骨をはがしはがしたりしている。
でも「もっと肩甲骨を柔らかくしろー!」と言われ続けると、正直「なんでうちの子どもだけ、、、」と、気分も落ちてしまいますし、「結局何が原因なの?」という不安にもかられてしまいますよね。

ではここで、こちらの動画をご覧ください。

この前後比較で触った場所、実はお腹。
腹直筋と呼ばれる場所をリリースしただけ。

なぜこんな変化が出るのかを説明しましょう。

お腹が緩む→背中が反らしやすくなる→肩甲骨がより内側に滑りやすくなる→大きく腕が回る

動画をよく観てみると、調整後の方がより背中が動いているのがわかります。

いかがでしょうか。
肩甲骨の動きをつけることも大切ですが、背中を反らしやすくすることもとても大切だということがご理解いただけましたね。

お腹緩めは、床にうつ伏せになってテニスボールか何かを床と自分の間にゆっくり挟みながら息を吐いていく、で大丈夫です。
お腹が硬いからといって無理にやりすぎないようにしてくださいね。

結論

・肩甲骨はがしの目的はあくまでも肩甲骨単体の動きのみ
・背中が上手く反れると肩はもっと動きやすくなる
・そのためにはお腹を緩めてあげましょう

ABOUTこの記事をかいた人

●柔道整復師、姿勢改善すこやか整骨院 院長●クリニックや整骨院勤務を経て、延べ1万人以上のアスリート、7万人以上の施術実績を持つ。 2014年4月に奈良県香芝市で開業(現在は御所市に移転)。『レントゲンでは異常なし』と言われるような症状を得意とし、皮ふの調整から体のバランスを整えるプロとして活動している。