ある日のとこ。あるバレエスタジオの先生からこんなメッセージが届きました。
―――――
お医者さんにジャンパー膝と診断されたようで、痛みが取れるまではレッスンしないと言われているようです。
このような症状は初めて聞きました。。。
お医者さんには、痛みが取れるまでレッスンせず安静にするよういわれているようで、先生に診てもらった方が良いか悩んでいるとのことです。。。
―――――
詳しいお話を伺ってみたところ、コンペ課題のレッスンを続けていたところ膝に痛みを感じるようになったとのことでした。
コンペまではあと4週間。残された時間を安静にするのか、筋膜リリースを受けるべきなのか、確かに迷うところではあります。とりあえず状態を確認した上で受けるか安静にするか決めてもらおうということで、話は落ち着きました。
では、この彼女はどんな状態で、どのような経過を辿ることになったのでしょうか。順を追って解説していきましょう。
目次【本記事の内容】
痛みが出るまでの経過
ジャンパー膝の診断を受けたのは女子中学生のバレエダンサー。
1週間ほど前から踊っている最中、左膝に痛みを感じるようになったとのことでした。
やはりコンペ前ということもあり、ひどくならないうちに病院で診てもらおうということに。
するとお医者さんから
「ジャンパー膝だね。使い過ぎによるものだと思うので、痛みが取れるまではレッスンお休みして安静にしていてください。」
と説明を受けたそうです。
とはいえコンペまで4週間、そんな悠長なことも言っておれず、かといって踊ると痛みが増す。
どうしようか悩んでいたところ、主宰の先生から僕をご紹介くださったとのことでした。
状態の確認
次は状態の確認です。
痛み動作の再現からしてもらいました。プリエすると痛みが出るということだったのでプリエをしてもらうと曲げきったところで痛みが出現しました。
次に仰向けの状態で左膝を曲げていきます。すると特に痛みは出ませんでした。
ジャンパー膝の正式名称は膝蓋腱炎。
膝のお皿の下を触ると大きめの硬く筋ばったものを感じると思います。そこが炎症を起こすわけですから、立っていようが寝ていようが膝を曲げると痛いはず。
しかし今回は立って膝を曲げて行ったときだけ痛みが発生します。
これはどういうことなのでしょう。
最後に筋膜のテストを行うと、プリエをしても痛みが出ませんでした。
「え!?痛くない!なんで!!?」
このようにポイントになる筋膜が動くようになれば痛みがなくなることがわかり、今回の膝蓋腱炎が腱ではなく筋膜の問題だということがわかりました。
これであればレッスンを受けながらセルフケアを行えば問題なく回復します。
そうお伝えすると、親御さんもほっと胸を撫で下ろしておられました。
「ピケみたいな動作をいっぱいやってたの?」
と聞くと、
「あ!今回はドルネシア踊るんです!」
なるほどバロネの連続で負担が掛かった故の痛みでしたか、納得ですね。
筋膜リリースとセルフケア指導、その後の経過
筋膜リリースを行いセルフケアを指導して、2週間後に診せていただいた際には半分ほどに、さらに2週間後にはコンペの練習も痛みなくこなせるようになったとのこと。
「1週間後のコンペ頑張ってきます!」と元気に帰っていきました。
もちろん膝蓋腱炎なので腱そのものに炎症をきたすケースもあります。
しかしながら現場目線でみると、今回のように筋膜が原因して痛みが出るケースも多々あります。
「膝の炎症だし安静にしないと」と諦めずに、まずは「筋膜に問題があるかも?」と可能性を模索されるのがベターだと思います。
まとめ
ジャンパー膝の診断を受けても必ず膝蓋腱の炎症とは限らない
筋膜が問題であれば必ずしも安静は必要ない
これって腱が問題なの?それとも筋膜が問題なの?と判断がつかない場合は、オンライン整体でもご相談が可能です。
時間は有限、早く治して早く復帰できるようにお手伝いさせていただきますので、是非ご相談ください。
Related Posts
●柔道整復師、姿勢改善すこやか整骨院 院長●クリニックや整骨院勤務を経て、延べ1万人以上のアスリート、7万人以上の施術実績を持つ。
2014年4月に奈良県香芝市で開業(現在は御所市に移転)。『レントゲンでは異常なし』と言われるような症状を得意とし、皮ふの調整から体のバランスを整えるプロとして活動している。