成長期とパフォーマンス〜クラムジーに陥らないために〜
僕がみているスポーツクライミングの業界では、なぜか成長期にパフォーマンスを落としてしまう選手が多いです。
他の競技でももちろん多いのですが、感覚的にはクライマーの特に女性にに多いような気がしてなりません。
今回はそんな成長期の落ち込み、「クラムジー」についてのお話です。
「クラムジー」って何でしょう?
クラムジーとは不器用、ぎこちないを意味する言葉です。
急激に身長などが伸び始める成長期。
体の変化に感覚がついて行かず、スランプに陥ってしまう状態を指します。
実際に体ではこんなことが起こっています
例えば、145cmの子が1年で10cm伸びて155cmになりました。
しかし、頭の中(脳)は145cmの時の感覚のままの場合もあり、145cmの感覚で155cmの体をコントロールするので、思ったようには動けません。
今まで動けていたのに、何で私は動けないの?
と思考でコントロールするようになると、本来の理想的な動きではないギクシャクした動きになるので、これが悪循環になって結果としてパフォーマンスが落ちるのです。
これをクライミングの場合に例えると、次のような現象が起こります。
・自分では次のホールドをつかめるイメージがあり、掴みに行ったが、距離感が合わず落ちた。
・以前は全く感じなかったのに、急激にパンプしやすくなった。
など・・・
クラムジーって防げるの?
ある程度は未然に防ぐことは可能だと考えます。
何にせよ、原因を取り除けばいいわけですから。
今回のような場合、一番の問題は「自分の体の感覚をアップデートできていない」ということ。
これは単なる筋トレのような「出力」を強化することではありません。
トレーニングすべきはむしろ「入力」です。
例えば、目をつむって立ってみましょう。
そのままゆっくりと体を前に曲げて前屈してください。
では、今、体重はどちらにかかっていますか?
通常は真ん中に重心がきている「はず」ですよね。
でもこれが左右どちらかにあるとすれば、すでに自分のイメージと感覚がずれているということ。
いかがでしたか?
結論:クラムジーはトレーニングで防ぎましょう
これから成長期を迎えるあなたも、すでにクラムジーで悩んでいるあなたも、やるべきことは変わりません。
筋力を強化することも重要ですが、きちんと自分の体の感覚も鍛えていきましょう。
感覚を鍛えるトレーニングってよくわからないと思うので、僕のオススメ本を紹介しておきます。
僕もこの本の著者、山本邦子さんのセミナーを受けて、感覚を鍛えることの重要性を痛感しました。
一般の方でも読んでいただきやすいので、ぜひご一読を!
トップ・アスリートだけが知っている「正しい」体のつくり方 (扶桑社新書)
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●柔道整復師、姿勢改善すこやか整骨院 院長●クリニックや整骨院勤務を経て、延べ1万人以上のアスリート、7万人以上の施術実績を持つ。
2014年4月に奈良県香芝市で開業(現在は御所市に移転)。『レントゲンでは異常なし』と言われるような症状を得意とし、皮ふの調整から体のバランスを整えるプロとして活動している。
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