新体操をやってる子を診ていて、意外と多いのが前後開脚の後ろ側の脚がまっすぐ伸びないというケース。
つい先日やって来た女の子も同様でした。
今回は、この女の子を例に、前後開脚と柔軟性の関係についてみていきましょう。
目次【本記事の内容】
片方はできるのに、という場合の多い前後開脚
今回やって来たのは小6の女の子。年長さんの頃から新体操を続けているそうです。
もともとあまり体は柔らかくなかったそうですが、日々のストとレッチの努力などにより、180°開脚に関してはできるようになったとのこと。
ただ、問題は前後開脚。
左脚を前、右脚を後ろにした開脚はできるものの、右脚を前、左脚を後ろにした開脚がうまくできないそうです。
早速見せてもらうと、確かに左脚を後ろにすると膝が外に向いてしまいます。
逆に右脚を後ろにした時は、太ももの前側は地面について膝もしたを向いていました。
「これって、左右の股関節の柔らかさが違うってことなんでしょうか?」
と、お母さん。
確かに、一見すると股関節の問題のようにも見えますよね。
これって一体何が原因なんでしょうか?
股関節の柔軟性が問題なの?
実際に体をチェックしていくことにしました。
すると、太ももの前側の筋膜の硬さに明らかな差がありました。
「こっち(右)とこっち(左)、どっちの方が硬く感じる?」
「えーっと、左です」
そう、触られている本人もわかるくらいの差があったのです。
試しに、太ももの前側の二箇所を筋膜を調整してみると、
「あ、伸ばしやすい!」
ということで、しっかりと筋膜調整を行うと、今度はピッタリと左足の太ももが地面に着くようになりました。
そして、膝も下を向いています。
その後、セルフケアを指導して帰って無事に帰っていただくことができました。
結局今回は、股関節というよりも太ももの筋膜が硬くなっていたことが原因だったようです。
まとめ
今回に関わらず、同じようなケースで筋膜の硬さによって、動きの制限が起こることが多々みられます。
なぜこんなことが起きるのでしょう?
それは脚の特定箇所の筋膜が硬くなると、その部分がうまく伸びなくなり、まっすぐ伸ばしているつもりでもねじれてしまうから。
日頃から柔軟性を求められる新体操や、フィギュアスケート、バレエなどでも、やはり同様の症状をよく見かけます。
柔軟をやってもあまり柔らかさに変化が出ないと悩んでいるあなた。
まずは視点を変えて、筋膜を疑ってみると良いでしょう。
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●柔道整復師、姿勢改善すこやか整骨院 院長●クリニックや整骨院勤務を経て、延べ1万人以上のアスリート、7万人以上の施術実績を持つ。
2014年4月に奈良県香芝市で開業(現在は御所市に移転)。『レントゲンでは異常なし』と言われるような症状を得意とし、皮ふの調整から体のバランスを整えるプロとして活動している。