【バレエ障害】なぜ三角骨障害は手術で完治しないのか? その1.5

前回から、三角障害についてのお話を書かせてもらっています。

嬉しいことに多方面から、さまざまな反響をいただきました。

思った以上に関心を持っていただいたことに嬉しい気持ちもありますが、

伝え方にも注意が必要だなぁと感じました。

 

今日は、少しだけ前回の補足をさせていただきたいと思います。

 

1.関節の構造上の問題は、原因の一つの要素でしかない。

身体の各関節は、「力」を如何に上手く伝達できるかによって、その良し悪しが決まります。

また、関節が力(荷重)を骨から骨に伝えていく際、4つの要素があると言われています。

①骨格的な安定(構造学的安定性)

読んで字のごとく、骨の構造上の安定性を示します。

骨盤を例にとってみてみましょう。

後ろから見ると、真ん中の骨が両側の骨に対して楔形(くさびがた)になっているため、

骨同士がうまくかみ合っているのがおわかりいただけるかと思います。

②筋力での安定

筋力でしっかりと関節を支持し、安定させることです。

同じく骨盤で例えると、腹横筋が代表的で骨盤の両翼から中心に向かってしっかり機能することで、

コルセットのような役割を果たしてくれます。

これによって、骨盤の安定性を出すことが出来ます。

③筋肉の使われる順番(協調性)

これも、呼んで字の如くです。

ただセラピスト内で一般的に使われている「協調性」という言葉とは、少し違ったニュアンスを受けています。

例えば、バレエの演目で、皆が勝手に好きなタイミングで踊りだしたらカオス以外の何者でもありません(笑

筋肉にも同じことが言えます。

④意識

ここで言う意識は、緊張感で表してみましょう。

寝起きの状態で、いきなりパフォーマンスの高い表現が出来るかというと、決してそういったこともなく、

逆にガッチガチの状態でも同じことが言えます。

結局、緊張感も適度に必要だけど、無さ過ぎてもあり過ぎてもケガの素。

 

もちろん、身体をうまく使うための要素はこれだけではありません。

ということは、障害の原因はこれだけではないのです。

「だから絶対的に手術はしちゃいけない!」とか「手術した方が絶対いいですよ!」というものでもなく、

僕たちセラピストやトレーナーが、これらの沢山の要素の中から皆さんの身体に合った「可能性」を、

皆さんと共に模索できれば嬉しいなと日々感じている次第です。

皆さん、すでに感じられていることかと思いますが、

「お医者さんも、整体の先生も、みんな言っていることが違うので、何を信じればいいのかわからない」

と思っている方と沢山お会いしてきました。

それについて僕個人がどうこう言える立場ではありませんが、

この先生は!という先生の仰ることを信じて共に歩むのが、改善への近道だと思っています。

もちろん、僕たちセラピストも信頼を得られるよう研鑽を積むべきでしょう。

 

長々と話してしまいましたが、もう一つだけ。

 

前回の話で距骨が前方に変位した場合、何故不安定になるのかという補足を書いておきます。

骨の構造上の問題として距骨滑車は上(水平面上)から見ると前方径の広い台形であるため、

前方変位すると脛腓の凹部分にうまくかみ合わず、骨的(構造学的)な安定が得られないという点です。

もちろん、この形状にも意味があるのですが、本当に長くなりそうなので割愛します(苦笑

 

今回も、僕のつたない文章を読んでくださってありがとうございました。

次回は本題に戻します!

 

 

 

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

●柔道整復師、姿勢改善すこやか整骨院 院長●クリニックや整骨院勤務を経て、延べ1万人以上のアスリート、7万人以上の施術実績を持つ。 2014年4月に奈良県香芝市で開業(現在は御所市に移転)。『レントゲンでは異常なし』と言われるような症状を得意とし、皮ふの調整から体のバランスを整えるプロとして活動している。