声楽家と関係する3つの膜
うちの整骨院には、音楽関係の方も来られます。
そして最近、ある声楽家の方が来院されました。
お悩みの内容は「もっと声の抑揚や伸びやかさを出したい」というもの。
もちろん、基本的には呼吸からみるのですが、声楽家さんの場合は「3つの膜」をチェックします。
今回は声楽と3つの膜についてのお話です。
1.横隔膜
声楽をやっておられる方も、最近ではヨガやピラティスのボディワークをされている方も多くなった印象があります。
だからこそ、「呼吸」という概念が強い。
アコーディオンだって、しっかりと空気を入れないと音が出ません。
横隔膜はアコーディオンでいう左手の部分。
右手で鍵盤を弾き、左手のコントロールで蛇腹に空気を入れていきます。
左手がしっかり動く=横隔膜が動くというイメージです。
声の伸びやかさを出すには、この部分が重要だと考えます。
2.骨盤底膜
一般的には骨盤底筋群という表現の方が馴染みがあるかもしれません。
骨盤の下の部分を覆っていて、お腹の中の圧力コントロールに一役買っています。
横隔膜と骨盤底膜が交互に動くことによって、お腹の中の圧力がうまく働くようになるのです。
この部分は声の「厚み」を出すために一役買っています。
呼吸に関心がある方でも、こちらの柔軟性が低い場合が多いのが僕の印象です。
変な感じでトレーニングしてしまうと、かえってこの部分が硬くなります。
骨盤の柔軟性をあげるということにも意識を向けてみましょう。
3.声帯膜
そうです、「声帯」です。
声楽家に関わらず、声帯周辺が硬くなってしまっている人が多いのが印象。
笛でいうところの弁の機能がある部分です。
もちろん、人の体の中の弁ですから、骨のような硬いものではありません。
これは個人的な見解ですが、うまく声が出せないという方は、どうもこの膜の働きが弱っているように感じます。
肩甲骨の動きが悪い、首の動きが硬い、首を動かした時に肩がつっぱるなどの自覚がある方は注意しましょう。
結論:体が楽器、だからメンテナンスしましょう
実は若かりし頃、舞台の勉強をしていたのです。
ボイストレーニングの時によく先生が「皆さんは体が楽器、だからしっかりとメンテナンスするようにしてくださいね」とおっしゃっていました。
人の体が陶器の器だとしましょう。
いい器は軽く叩くと、音がよく響きます。
逆に悪い器やヒビの入った器は、叩いても鈍い音が少しするだけ。
体は楽器、だからしっかりメンテナンスを心がけましょう。
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●柔道整復師、姿勢改善すこやか整骨院 院長●クリニックや整骨院勤務を経て、延べ1万人以上のアスリート、7万人以上の施術実績を持つ。
2014年4月に奈良県香芝市で開業(現在は御所市に移転)。『レントゲンでは異常なし』と言われるような症状を得意とし、皮ふの調整から体のバランスを整えるプロとして活動している。
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