最近、季節の変わり目のせいなのか、それとも秋でスポーツしやすい気候になってきたせいか、捻挫してやってくるクライアントさんが多く見受けられます。
特に足首の捻挫といえば、あなたの人生でも一度や二度くらいは起きているであろうメジャーな「ケガ」ですよね。
つい先日も、バレエのパッセで軸足が痛む、また、軸足に体重を乗せるのが怖いというクライアントさんが当院にやってこられました。その方はまだ高校生なのですが、もちろんバレエにおいて爪先立ちで痛みが出て、かつ、軸足に体重を乗せると不安感があるというのは、死活問題だと思います。
彼女にケガの履歴を聞いてみると、真っ先に出てきたのが「足首の捻挫」でした。特にバレエでというわけではありませんでしたが、何度か同じ側の足首を捻挫していということ。
一応、受傷後少し経過してから足首の不調を感じた彼女は、近所の整骨院で診てもらいながらインターネット上にある情報を元に、内モモのトレーニングをしたり足首のストレッチをしたりしてくれていたようですが、状態は変わらず。
念のため整形外科にも行ったそうですが「靭帯が伸びてしまっている」ということで、足や足首のトレーニングしなさいと言われたそうです。
その直前にも、同様の症状を訴えたクライアントさんが来院されていたので、ちょっと今日はこんな話をしてみようかと思います。
足首に自信のないあなた、まずはちょっとチェックしてみましょう。
1:足を腰幅で平行に立ってみてください。
2:その状態で爪先立ちしてみましょう。
爪先立ちの状態で、親指側に体重が乗っていればオッケーです。小指側に体重が流れてしまう場合、不安定感がある、もしくは今後不安定感が出てくる可能性があります。
足首といえばこちらの記事(【バレエ障害】なぜ三角骨障害は手術で完治しないのか? その1)でもご紹介していますが、骨格的に見た場合、足首は脛骨と腓骨(足首の上側の骨)、距骨(足首の下側の骨)によってできています。絵でいうとこんな感じ。
下側の骨を見てもらえるとわかるのですが、半円形になっていますよね。この部分は距骨滑車と呼ばれています。
滑車??
井戸や引き揚げ作業などで使われる器具なのですが、イメージがつきますか?
こんな感じです。
例えばこの滑車の右側がアキレス腱で、左側が前脛骨筋(スネの前側の筋肉)だとしてみましょう。滑車の支点が円の中心にあるから両者のバランスは保てます。
しかし捻挫をしてしまうということは、滑車の支点が円の中心から外れてしまうということなのです。そんな状態で滑車を動かしてみるとどうでしょう。滑車がうまく機能しなくなって引っ張り上げるのにも苦労しそうですよね。足首の関節も同様に、前後の筋肉のバランスも崩れてしまい、筋力的にも足首を安定させることができなくなってしまいます。これが痛みの原因になってケースが非常に多い。
もちろん、こんな状態でストレッチをしようが足首のトレーニングをしようが、効果は得られにくくなるのです。
足首の不安定感は、甘く見ているとアキレス腱炎や有痛性外脛骨、三角骨に移行します。まずは「動かす」ではなく「整える」からスタートしてみてはいかがでしょうか。
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●柔道整復師、姿勢改善すこやか整骨院 院長●クリニックや整骨院勤務を経て、延べ1万人以上のアスリート、7万人以上の施術実績を持つ。
2014年4月に奈良県香芝市で開業(現在は御所市に移転)。『レントゲンでは異常なし』と言われるような症状を得意とし、皮ふの調整から体のバランスを整えるプロとして活動している。